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第24号 2012.8.23 まこと流まちづくりの地平

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                   _/_/ まこと流まちづくりの地平 _/_/
                 _/_/_/ 第024号_/_/ 2012/08/23 _/_/

                 松本誠のメールマガジン 第24号

         1年4カ月、このメールマガジンをご無沙汰しました。昨年4月末、
        明石市長選で47歳(当時)弁護士の泉房穂氏が69票差で当選したこ
        と、この選挙に際して明石の市民団体が「市民マニフェスト」を掲げ、
        市民との公開討論会を逃げた県職員天下り候補の「×」運動を展開し、
        結果的には決定的な役割を果たしたことなどを報告しました。

         あれから1年余。明石では明石駅前の再開発計画をめぐり現行計画の
        抜本的見直しを求める市民と、真正面からの応答を避けながら選挙公約
        を破り既存計画に“妥協”を図った新市政の方針との対立が深まってき
        ました。

         この夏、明石市民は炎暑のなか、再開発計画を抜本的に見直させるた
        めに、地方自治法に基づく住民投票の直接請求に踏み切りました。今週
        25日から1カ月間の直接請求署名が始まります。

         この大事な時期に、メルマガを発信して明石の動きを伝えることが何
        よりも重要ではないかとの期待と叱責を背に、メルマガを再開します。
        残暑に燃える明石の動きを、同時進行ドキュメントとして可能な限り報
        告していきます。「明石のまちづくり小史」の先取りとして、お届けし
        ます。

_/_/_/ 明石まちづくり小史 <17>

       ===大事なことはみんなで決めよう! 住民投票を市長に直接請求===
          事業のビジョンと夢語れぬ、市役所丸抱えの再開発計画

         明石市で地方自治法に基づく条例制定を直接請求するのは、市政はじ
        まって以来初めてのことです。住民投票は半世紀以上前の1955年1
        月、神戸市との合併をめぐって市民の反対運動が盛り上がり、中間派議
        員の緊急提案で住民投票が行われた結果、合併反対票が賛成票の3倍、
        2万票余りの大差がついて合併話はピリオドを打った経験があります。

  _/_/ 「大事なことは住民投票」と自治基本条例で規定

         今回の住民投票は、半世紀前とその重みが異なります。明石市は一昨
        年2010年4月、明石市の“憲法”でもある自治基本条例を施行しま
        した。この条例では、14条に住民投票の項目を設けて「将来にわたっ
        て明石市に重大な影響を及ぼすと考えられる事項について、住民が市長
        に対して住民投票の実施を請求したときは、市長は住民投票を実施しな
        ければならない」と定めています。いわゆる「常設型」の住民投票条例
        を定めて、一定の要件が整えばいつでも住民投票を実施できるように定
        めたものです。

         しかし、条例施行後2年経っても住民投票の手続きを定める住民投票
        条例をつくっていないため、駅前再開発については、地方自治法に基づ
        く「条例制定の直接請求」手続きを行います。有権者の50分の1以上
        の署名を添えて条例の制定を請求すれば、市長は20日以内に議会を招
        集して提案しなければなりません。議会が可決しなければ条例は成立し
        ませんから、有権者の2%に過ぎない50分の1(約4700人)程度
        の署名では、再開発を推進する立場に立ってきた議員が多数を占める中
        では可決の見通しが薄いので、今回の署名運動では約10倍の3万〜5
        万人程度の署名を目標にしています。

         今回の再開発計画は明石駅前にふさわしいまちづくりの大きな壁にな
        り、市の財政に重大な影響をもたらしますから、自治基本条例に従えば
        署名数の如何を問わず議会は条例を可決するのが当然です。しかも議会
        は今年、議会基本条例を制定しようとしているのですから、自治基本条
        例を施行し、議会基本条例を制定しようとする議会が「大事なことはみ
        んなで決める」という原則を否定すれば、漫画にもなりません。

  _/_/ バブル崩壊後3度目の失敗を避ける

         明石市はバブル経済の崩壊後、2つの大きな開発行政で失敗してきま
        した。

         一つ目は、1993年に着工して1998年の明石海峡大橋の開通に
        合わせて完成をめざした大蔵海岸の埋め立て事業です。270億円を費
        やして埋め立ては完成したものの、陸地の一部を売却して事業費を清算
        するもくろみは見事に外れて土地の売却はできず、150億円の一般会
        計を投入して補てんしたあとも、まだ90億円近い借金を抱えて企業会
        計を閉鎖できない状態が20年間続いています。しかも、この埋め立て
        地で花火大会事件や砂浜陥没事故で12名の尊い命を奪ってしまったこ
        とはご記憶の通りです。

         二つ目は、経営破たん状態にあるアスピア明石です。明石で初めての
        再開発事業でしたが、構想から30年の歳月をかけて11年前に完成し
        た駅前再開発ビルです。阪神・淡路大震災で大きな被害を受けた権利者
        の権利を市やデベロッパーが買い上げに走り、一気に着工にこぎつけま
        した。380億円にのぼる再開発事業費の84%は国、県、市の補助金
        と市が買い取る保留床の買い取り費用、すなわち税金でまかなわれまし
        た。

         しかし、バブル期に契約した核テナントの大丸には震災直後にキャン
        セルされ、いったんはコープこうべを代替核テナントに決めたものの、
        着工直後にこれも撤退し、核テナントなしに巨大なビルを建設しました。
        商業床やビル内に抱え込んだ大規模な駐車場を市が三セク会社をつくっ
        て買い取り賃貸商業施設としてスタートしましたが、バブル経済が崩壊
        して10年余を経ての「高度成長型再開発事業」が成功するわけがあり
        ません。
         毎年2億円前後の赤字補てん補助金を繰り入れながらも、10年余で
        32億円の累積赤字を積み上げ、なお、巨額の含み損を抱えて経営は事
        実上破たん状態にあります。

  _/_/ 34階建ての超高層マンションと市役所フロアーが中心占める駅前ビル

         こんな実態を十分検証することもなく、計画も金も人も市が“丸抱え”
        の再開発計画をつくりはじめたのは、わずか4年前。もともとは200
        5年8月にダイエー明石店が閉店したことから対応策に苦慮していたが、
        中心市街地活性化法の改正で同法に基づく計画に沿って再開発を行えば、
        国の補助金の上乗せをもらえることに目を付けたことが再開発にのめり
        込んだきっかけ。再開発計画を目玉事業に盛り込んだ中心市街地活性化
        基本計画が国の認定を受けたのは一昨年の11月という慌ただしい事業
        です。

         計画はなぜか、高さ100m、34階建て200戸余りの超高層マン
        ションを組み込み、6階建て低層部の半分は市役所が買い取り、当初は
    駅前庁舎として窓口部門を中心に目と鼻の先にある本庁舎の機能の3分
    の1を移す計画でした。
     
     昨年春の市長選挙では「税金のムダ遣いの象徴」として抜本的見直し
    を掲げた泉氏は、市長就任後見直し作業を始め、計画の概要を市民に周
    知し、パブリックコメントと称した市民アンケートを実施して見直し案
    をつくりました。わずか2カ月でまとめ上げた見直し案は、計画規模は
    変えずに、市役所が買い取るスペースの用途を若干変更し、市役所の執
    務スペースを1フロアーに減らし、明石公園内にある市立図書館をビル
    の5階に移設し、子育てや医療保健施設にフロアーを充てる一部変更案
    で進めようとしています。

         再開発事業費は266億円、85%の226億円は補助金や市の買い
        取り費用で占める税金丸抱えの「民間事業」です。準備組合の理事長に
        は昨年春までこの事業を担当してきた部長が定年後天下り、デベロッパ
    ー契約したゼネコンの大林組と一緒に事業を進めています。

     不思議なことに、この事業の経済効果や中心市街地の活性化につなが
    るかどうか等についての20項目にわたる詳細な「公開質問書」を市民
    団体が出しても、市は内容について一切答えない。「確固とした将来見
    通しを持たない余りにもずさんな計画のために、答えようがない」とし
    か考えられない。住民の「参画と協働」「情報共有」を市政運営の原則
    に掲げた自治基本条例を施行した市としては、あまりにもお粗末な対応
    です。

         昨年秋、泉市長は市内28小学校区で市長懇談会を開き、再開発と厳
        しい財政を話題に市民との意見交換を行ったが、意見の大半は「再開発
        は税金のムダ遣い」というものでした。住民投票は、こうした市民の意
        思を重大な行政施策に反映しようというもので、住民投票が行われると
        間違いなく再開発は中止になるとみている議員も多い。だから、議員の
        多くが住民投票を避けようとするかどうかは、署名の数にかかっていま
        す。

         議会が住民投票を求める住民意思を尊重せざるを得ない、市民の運動
        の盛り上がりが求められています。行政と議会が住民の意思を反映でき
        ずに“機能不全”に陥った際の非常手段として、「住民自治」を貫くた
        めの直接民主主義制度の決定的手段が住民投票です。明石市民が初めて
        手にする「民主主義の宝刀」で、明石の市民自治がより一層進むかどう
        かの試金石でもあります。25日からの署名活動に注目下さい。

         下記のfacebookに、住民投票の会のHPを設定しています。昨年来の
        経過については、「市民自治あかし」のHPもご参照ください。
                http://www.facebook.com/sukidayo.akashi
                http://shiminjichi-akashi.net/

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_/_/_/ 街頭署名と常設署名所&駅前事務所

         8月25日(土) 26日(日)は 終日、明石駅前で街頭呼びかけと署名
        所を開設する予定です。
         明石駅前の銀座通り商店街の魚の棚入口すぐ南に、住民投票の会の駅
        前事務所を開設しています。ここは常設署名所です。再開発計画に関係
        する資料もあります。「市民さろん」としてお気軽にお越しください。

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_/_/_/ 発行: 市民まちづくり研究所 / 松本誠 MATSUMOTO,Makoto
        http://matsumoto2008.com
        e-mail:makoto@matsumoto2008.com
        e-mail:matsumoto-mk@nifty.com
        twitter:http://twitter.com/akaishikaizan
        ※ご意見・ご感想をお寄せください。
        ※バックナンバーはホームページにアップしています。
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最終更新時間:2012年09月19日 21時32分09秒