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第13号 2010.1.1 まこと流まちづくりの地平

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                   _/_/ まこと流まちづくりの地平 _/_/
                 _/_/_/ 第013号_/_/ 2010/01/01 _/_/

     明石の松本誠です。
     21世紀も10年を経て、2010年の幕開けです。新年おめでとう
    ございます。

     松本誠のメールマガジン「まこと流まちづくりの地平」、まる1年間
    のご無沙汰、申し訳ありません。2009年の元旦に12号をお送りし
    てから、何かと多忙に紛れて先送りを続けて、気がついたら1年経って
    いました。心機一転、出し方も少し変えて、再開したいと思います。
    
     従来は時事解説風の「呑兵衛逍遙」と、明石のまちづくりを歴史的に
    綴る「明石まちづくり小史」、イベント案内などの情報「まちづくり異
    聞」の3本立てで発行してきました。新聞社時代の癖が抜け切らず、セ
    ット主義にこだわったために、1回の原稿作成に時間がかかり、1回分
    の分量が多く、お叱りも得てきました。

     再開分からは、セット主義をやめて、「呑兵衛逍遙」だけや「明石ま
    ちづくり小史」を随時掲載するなど毎回の配信分量を身軽にし、発行回
    数を絶やさないように心がけたいと思います。
     ご愛読いただければ幸いです。

_/_/_/ 呑兵衛逍遙
              「市民の目線」と「役所の目線」
              お役所体質の“カラ”(殻)を破ることの難しさ

     2009年は、明石でまちづくり市民活動をはじめて20年を経た私
    と多くの仲間にとって、歴史的な転換ともいえる年だった。
     20年前の1989年11月に「まち研明石」(明石まちづくり研究
    所)を立ち上げてから、まち研明石を基盤とした市民活動は明石市の行
    政にとっては相容れない活動団体であった。鋭い市政批判もしてきたが、
    市政批判をする団体を“敵視”する首長が存在する中では、行政への市
    民の参画も協働も無縁の世界だった。兵庫県内はもちろん、全国各地の
    自治体のまちづくりに協力し、支援することをライフワークとしてきた
    私にとっては、地元での貢献ができないことは何よりも辛いことでもあ
    った。

     そんな中でここ3、4年前から、少しずつ幹部職員との意思疎通が進
    み、まちづくりの現場での協働や、市民塾のまちづくり講座に部課長が
    出席するようになり、変化が生まれれていた。2009年になって、そ
    れが一気に全開した。市長から直接、市政への協力要請を受け、意見交
    換を重ねながら、11月29日に開催した「まち研明石20周年のつど
    い」に北口市長が知事ら5名の首長と一緒にパネリストとしてシンポジ
    ウムに参加して、3時間におよんだ交流懇親会にも最後まで付き合って
    いただき、「参画・協働の市政」めざしてエールを交換するところまで
    進んだ。ちなみに、この「つどい」には、明石市の特別職や幹部職員ら
    40数名が参加した。

    _/_/ 職員研修“カラワリ大作戦”に参画

     明石市は2008年度から“カラワリ大作戦”と称する職員研修に取
    り組んでいる。お役所仕事に慣れ親しんできた職員の体質(殻=カラ)
    を割り砕こうという狙いだ。初年度は、加西市や三木市、生駒市などの
    改革的首長を招いての講演を聞いた。2年目の2009年度は、市民の
    目線に立った職員像を考えるために「市民主体のまちづくりを考える」
    をテーマに、私と明石の市民活動団体が協力してプログラムをつくった。
     9月から2月までの連続講座で、地方分権時代の市民と自治体職員の
    あり方を講義し、市民活動のリーダー9名が各グループのチューターと
    して参加したワークショップで意見交換した。11月-12月には、10
    の市民団体の活動に参加する体験実習も行った。2月初めには、参加し
    た100名ほどの職員がレポートを提出し、発表と講評のまとめを行う。

     もちろん、1回限りのこうした研修で、長年身についたお役所体質が
    払拭できるとは思わないが、ワークショップや体験実習で一人ひとりの
    職員と話していると、これまでにない斬新な体験と感覚に触れたことを
    生きいきと語る職員が少なくない。職員と腹を割った話をした経験の少
    ない市民活動リーダーにとっても貴重な体験だった。この交流体験を、
    どのようにして日常化していくかが、大きな課題でもある。

        _/_/ 年末に相次いだ“冷や水”

     だが、こうした新風は、順風万歩とは行かない。年末、早くも各論で
    幾つかのつまづきを感じた。一つは、大詰めに近づいた自治基本条例の
    策定作業だ。2007年7月から2年間27回にわたって審議してきた
    市民主体の検討委員会が8月に提言書を提出した。市は提言を尊重して
    条例素案をまとめるとしていたが、この12月10日に市議会に説明し
    12日には検討委員会にも報告した。

     残念なことに、発表された素案は検討委員会の提言とは大きく外れた、
    骨抜き条例ともいえる中身になっている。自治基本条例の生命線である
    「最高規範性」を否定し、市民の「権利」よりも「責務」を強調し、逆
    に「市長の責務」を「努力義務」にとどめたり、協働のまちづくりや情
    報共有についても現行システムをどのように強化していくのかが見えず、
    現状追認的な条例の色彩が濃厚になっている。
     素案の中身については、検討委員会内部からもすでに批判が出されて
    いるが、市はパブコメ手続きを経てこのまま3月市議会で条例化を図ろ
    うという姿勢がうかがえる。
     素案の内容が市民に公表されたのは、パブコメ開始の12月21日に
    ホームページにアップされたのが最初であり、素案を報告した検討委員
    会も非公開で開催するなど、情報共有の上でも著しく妥当性を欠いてい
    る。

     上記の基本条例素案の中でも、長期総合計画の位置づけが希薄だが、
    自治基本条例の制定作業を進めるのと並行する第5次長期総合計画の策
    定プロセスが、自治基本条例との整合性を欠いているのも大きな問題で
    ある。今回の計画策定作業は実質的に1年足らずで進めようというこれ
    までにない荒っぽさだが、その情報共有や市民参画性に関しても、市民
    目線を欠いた進め方といわざるを得ない。

     例えば、新年早々の1月7日に第1回審議会を開催するが、その日程
    と傍聴者の募集が公表されたのは御用納めの12月28日。市のホーム
    ページにアップされた情報によると、傍聴の申し込み締め切りは1月6
    日正午必着。御用納めに発表して、仕事初めまでに申し込めという感覚
    が、いかに市民目線とかけ離れたお役所仕事になっているかは、説明の
    必要もないであろう。
     また、同時に発表された総合計画の策定に関わる市民ワークショップ
    の参加者募集も、1月12日必着という性急ぶりである。

    _/_/ 具体的な事業や仕事を通じて試される「参画・協働」

     自治体の根幹に関わる上記2つの策定作業を、市民の参画を“犠牲”
    にしてまで、なぜ、こうも急ごうとするのか? 中身よりも形が優先と
    いうことであろうか? 
     自治基本条例も「市民目線に立った市政」の運営も、方針や理念、キャ
    ッチフレーズで実現するものではない。大勢の職員を擁して巨額の税金
    を使う行政の具体的な事業、日常の仕事を通じて試されるものである。
     「公開事業仕分け」が注目されたのは、「税金のムダ遣いをなくす」
    という方針が、個別の税金の使い方や実施主体の実態を具体的に公開で
    検証したからである。そのプロセスで、お役所的なやり方が赤裸々にな
    っていき、否応なく是正が迫られる。小さなことにも目配りする研ぎ澄
    まされた神経が、市民と職員の双方に求められる所以である。

    ◇明石の市民自治        http://jichi-akashi.com/
        ◇まち研明石            http://jichi-akashi.com/machiken.html
        ◇明石市自治基本条例    http://jichi-akashi.com/kihon/


                                   ◇

         この「メールマガジン」は、松本誠がジャーナリストとして、まちづ
        くりのコーディネーターとして、さらには明石における<市民まちづく
        り>の実践者として取り組んできた四半世紀の蓄積を、現在進行してい
        る諸課題にリンクさせながら情報発信していくものです。

         これまでに知り合った数多くの方々に、一方的にお届けします。月に
        2,3回のペースで配信していきたいと思っていますが、ご迷惑な方は
        文末に記載しているように、その旨を返信していただければ配信を取り
        やめます。お読みいただいた方には、ご感想や論説に対する異論・反論
        などご意見をいただければ幸いです。

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_/_/_/ まちづくり異聞(イベント案内、その他)

     _/_/ 明石市の自治基本条例素案を考える拡大研究会
      主催:住民自治研究会あかし

          _/ 2010年1月5日(火)18:00〜22:00
          明石市男女共同参画センター第3会議室(明石駅前アスピア北館7階)

          12月に公表された自治基本条例の素案について市民の意見を出し
     合って、問題点を取りまとめる。住民自治研究会のほかに、この問題
     に関心を持つ市民や職員、検討委員会委員、議員、地域コミュニティ
     関係者等にも参加を呼びかけている。
      意見交換によって素案の問題点を整理し、市や議会、検討委員会に
     も要望、進言をまとめる。市民集会の開催も視野にいれる。

     ◇住民自治研究会あかし  http://jichi-akashi.com/jichi.html

     _/_/ 福祉のまちづくりを考える連続講座 第6回
     「地域福祉を支える仕組みをどうつくるか」
      第6回 地域で支える、福祉の見えるまちづくり
       主催:明石まちづくり市民塾

          _/ 2010年1月11日(月=祝日) 13:30〜16:30
          明石市生涯学習センター3号学習室(明石駅前アスピア北館8階)

      講師:早川和男さん
          (神戸大学名誉教授、日本居住福祉学会会長)

      「住まいは人権」であることを痛感した阪神・淡路大震災以来、住
     まいと福祉を一体的にとらえる仕組みづくりが求められるようになっ
     た。地域福祉を支える住まいづくりから、福祉の見えるまちづくりへ
     の展開を考える。
      資料代:300円

      申し込み・問い合わせは、明石まちづくり市民塾
           E-mail:shimin-juk@jichi-akashi.com 
           HP http://jichi-akashi.com/shimin-juk.html

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_/_/_/ 発行: 市民まちづくり研究所 / 松本誠 MATSUMOTO,Makoto
        http://matsumoto2008.com
        e-mail:makoto@matsumoto2008.com
        e-mail:matsumoto-mk@nifty.com
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最終更新時間:2010年01月20日 00時58分58秒